シェンゲン情報システム(SIS)

シェンゲン情報システム(SIS):欧州連合のセキュリティを強化する新しいルール

シェンゲン情報システム(SIS)の新しいルールが、2018年12月28日に本格的に施行されました。これらの規制は元々2016年12月に欧州委員会に提案されたものです。現在、SISは、安全および国境管理のためにヨーロッパで最も広く使われている情報共有システムです。この仕組みはeu-LISAという機関が管理しています。

欧州連合の最大の懸念の1つは、域内の安全です。そのため、2016年11月には、EUの安全を改善し、国境管理をより効率的に行うために、ETIASシステムが提案されました。ETIASとは欧州渡航情報認証制度のことで、eu-LISAという機関によって開発されました。ETIASに申請することが必要になる人々は、ヨーロッパに渡航する前に事前審査されるというものです。申請データは、SISを含むいくつかの保安データベースと照合されます。

2017年には、SISは各国当局によって50億回以上参照されました。データベースをアップグレードすると、ヨーロッパの国境を越える外国からの渡航者をより監視できるということになります。SISは、危険な犯罪者やテロリストを捕まえるために警察や法執行機関に対するサポートも行っています。施行されたこの新ルールでは、行方不明になった子どもや脆弱な大人に対して、より強い保護を提供できるようになります。

ディミトリス・アブラモプロス欧州委員(移民・内務・市民権担当)は、このように発言しています。

「私たちは、現在のEUにある致命的な保安上のギャップを閉じようとしています。加盟国には、強化されたシェンゲン情報システムにテロリズムに対するアラートを加えることが義務付けられます。脅威となる人物に気づけないことが、これ以上あってはいけません。近い将来には、SISと保安・国境・移民に関するその他の情報システムを相互運用可能にすることで、私たちの保安ネットワーク上ですべての点が確実に結びつくことになります。」

ジュリアン・キング欧州委員(安全同盟担当)によれば、SISは欧州連合の安全に不可欠なツールです。「SISがあることで、各国当局が犯罪者やテロリストを捕まえることができます。」と、キング委員は言います。新しいSISのアラートは、特にテロリズムへの対処に関して、ヨーロッパをより安全にするために役立ちます。キング委員は「これは、情報共有を強化し、情報システムをより効率的に連携させるための試みの一部です」と付け加えています。

新しいSISのルールとアラート

2018年12月以来、テロリズムに関するアラートについての新しいルールは、以下のように適用されています。

  • テロリストの攻撃に対するより強い警戒:各国当局は、テロリストの攻撃に関連する全ての懸案に対して、SISのアラートを作成しなければなりません。2019年が終わると、加盟国はテロリズムに関連したアラートにひっかかったものをユーロポールに通知しなければならなくなり、これによってヨーロッパ全体のレベルで点と点をつなぐことになります。ETIASへの申請は、潜在的な脅威を特定するために、ユーロポール、インターポール、SISに照会されます。
  • より強力なデータ保護規則:新しいルールは、新しいデータ保護規則とデータ保護に関する警察命令を遵守したものになります。

SISの新しい機能の一部は、段階的に実装されていきます。目標となるのは、3年後に加盟国でこのシステムが完全に稼働することです。この段階とは、以下のようなものです。

  • 犯罪者に対する新しいアラートと帰国命令:この新しいルールがあることによって、犯罪に関係のある身元不明な人物に対して、SISのアラートを発令することができます。「帰国命令(return decision)」という分類が導入され、不法に滞在する第三国の国民に対して発行される帰国命令の執行が改善されます。
  • 行方不明の子どもや支援が必要な人に対するより強力な条項:各国当局は、保護が必要な人物に対して予防的アラートを発令することができるようになります。
  • 入域禁止の執行:第三国の国民に対して、シェンゲン圏に入域できないように発行された入域禁止命令をSISに追加することが、義務化されます。

ユンケル欧州委員長の2016年の一般教書演説では、データ管理の欠点を克服する重要性が強調されました。EUが既存情報システムの相互運用性を改善することは、不可欠でした。シェンゲン情報システムの強化は、全加盟国の安全を高めるために取られた様々なアクションの1つです。

SISの改善すべき分野を特定するために、包括的な評価が2016年に行われました。法律案は2016年に欧州委員会に提出され、2018年11月には委員たちがその提案を承認しました。

SISは、シェンゲン圏の外部境界のチェックを支える大規模中央情報システムです。30カ国で法執行および司法協力に貢献し、その改善につながっています。SISは、シェンゲン圏へ入国・滞在する権利を持たない個人に関する情報を提供します。このような人物は、犯罪活動や行方不明者、特定の紛失物や盗難品(重火器、船舶、身分証明書)に関する情報などに関連して捜索対象となっている人物である場合が一般的で、その人物の居場所を特定し、その人の身分を確認するためには、このようなデータが必要になります。

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